第八二十四章

翌日。

「パパ!」

まだ朝の七時になったばかりで、太陽も顔を出した程度だったが、ルナはもう階下で父親を呼んでいた。ネイサンは洗面所で歯を磨いていたが、そのよく通る声を聞くと、急いでバルコニーへ出た。そこにはルナとヒルダが立っていた。

ネイサンは即座に満面の笑みを浮かべた。「上がっておいで、ベイビー!」

彼の上半身は裸で、引き締まった胸板と逞しい腹筋が露わになっていた。首にはヒルダがくれたお守りがかかっている。彼女も似たようなものを持っていたはずだ。どうやら彼はそのお守りの存在を忘れていて、離婚後もずっと身につけていたようだ。

ルナは興奮して二階へと駆け上がった。

その間、部屋に戻っ...

ログインして続きを読む