第861章

「フレミングさん、あなたもよくご存じでしょうけれど、みすみす競合相手に私を打ち負かすチャンスを与えるような真似はいたしませんわ」テレサは単刀直入に切り出した。

独占代理権を獲得できる者にとって、これは莫大な利益を生む機会である。なぜテレサが、潜在的な敵になり得る相手にそれを譲り渡さなければならないのか? 後に強力な競争相手となる人物を自らの手でうっかり育ててしまったとしたら、彼女は笑いものになるだけだ。

「それに、この件には十以上のチームが名乗りを上げています。彼女より強力なチームは山ほどあるのに、なぜあえて彼女を選ばなければなりませんの?」

テレサの言葉に、サミュエルは言葉を失った。コ...

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