チャプター 170 チャプター 0170

ローレン視点

「では、これで失礼する」

ローマンが立ち上がると、その声は平坦で事務的だった。私もあとに続く。ジェフから渡されたラップトップを指でしっかり掴み、脇に抱えた。その機械は温かく、確かな重みがあって、落ち着かない私の胃よりもずっと安定しているように感じられた。

ジェフが手を差し出し、ローマンがそれに応えて握手を交わす。「助かった」とローマンが真摯に言った。そこには何の演技もなく、ただ静かな感謝の念が込められているだけだった。私にこの扉を開けてくれた彼へのありがたさで、胸が熱くなる。

「いつでも頼ってくれていいって、知ってるだろ」ジェフは気安く、誠実に答えた。

「本当にありがとう。こ...

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