第15章 あまりにも惨い

森田三郎は爪楊枝を咥え、後ろに四、五人のチンピラを従えて、威勢よく北野美月の前に歩み寄った。

彼は体格の良い、肉付きのいい顔をしたチンピラだった。鷹のような鋭い目で北野美月を見つめ、口元に侮蔑的な笑みを浮かべた。

「昔、お前の親父さんと母ちゃんが俺に金を借りたまま返さねぇどころか、警察に俺を訴えやがった。不法取引だとかほざいて、俺は数千万の罰金を払わされて、十五日も拘留されたんだぞ!」

「俺が出てきて仕返ししようと思ったら、あの二人の腰抜けは飛び降りて死んでやがった。マジで縁起でもねぇ!」

「お前はあいつらの唯一の子種だ。今日俺に見つかったからには...言ってみろよ...お前の爺さん...

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