第16章 今まだ生きている

雑木林からの助けを求める声が次々と聞こえてきた。

子分たちは呆然とした表情を浮かべ、白井莉子は同情の眼差しを向けていた。

なんて運の悪いやつだ。誰に喧嘩を売るでもなく、よりによって離婚したばかりの北野さんに喧嘩を売るとは。

ふん、生き延びられるかどうかは、あの脂肪まみれの体が殴られ耐えられるかどうかにかかっているな……

子分たちはどうしていいか分からない様子だった。彼らはただ森田三郎の尻について日々を過ごしていただけで、さっきまで白井莉子を睨みつけていたが、今となってはどんな考えも持つ勇気もなくなっていた。

彼らは森田三郎のために命を張るつもりなどさらさらなかった!

数分後、北野...

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