第19章 お節介

山崎霧は病院のベッドでゆっくりと目を開けた。窓のカーテン越しに差し込む陽の光が彼の顔に注ぎ、温かく優しかった。

北野美月は彼のベッドの傍らに座り、手に水の入ったコップを持っていた。彼が目を覚ましたのを見て、心が緩んだ。

「やっと目が覚めたのね」北野美月は小さな声で言った。目には心配の光が宿っていたが、すぐにその視線を引き締めた。「じゃあ私、行くわ。何かあったら自分で看護師さん呼んで」

北野美月がちょうど立ち上がろうとしたとき、彼女の手首が男の大きな手にしっかりと掴まれた。

「大丈夫か?」

山崎霧はまだ少し弱々しかったが、その美しい目は依然として鋭く深遠で、立ち去ろうとする北野美月を...

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