第22章 彼氏ができた!

彼女は軽々と山崎霧のオフィスの入口まで歩き、心の中は離婚への期待で満ちていた。しかし、ドアを開けると、オフィスには秘書一人しかいなかった。

「北野さん...急に来られたのですか?」秘書は北野美月を見て、顔に不自然な表情を浮かべ、明らかに緊張した様子だった。

「山崎霧に会いに来たの。中にいる?」北野美月はオフィスの入口に立ち、中を覗き込んだ。

秘書の表情はさらに困ったものになり、言葉を濁しながら言った。「いるにはいるのですが...ちょっと都合が悪いかも...」

「何が都合悪いっていうの?」北野美月の声には不満の色が混じり、心の中で思った。この山崎霧というのは本当にろくでもない。オフィス...

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