第39章 高冷イケメン

山崎霧の言葉が出た瞬間、北野美月は彼が風間圭の逆鱗に触れたことを悟った。ハッカー界の大物として、最も困らないものと言えば、まさにお金だったからだ。

だが山崎霧はまさかお金で風間圭を動かそうとしている。これは風間圭にとって明らかな侮辱だった。

案の定、風間圭の表情が一変した。

「俺がお前の200億に困ってると思ってんのか」風間圭は頭の黒いキャップを軽く押さえ、山崎霧に迫った。帽子の縁から覗く眼差しは毒蛇のように山崎霧の顔に絡みついていた。

山崎霧も負けじと目を細め、睨み返した。

この二人の間で嵐が吹き荒れようとも、北野美月はふと吹き出してしまった。自分と山崎霧のカップリングを多くの人...

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