第8章 事を起こす

病院の病室で、日差しがカーテン越しにベッドサイドに差し込んでいた。北野美月は手に分厚い資料を持っていた。

「早めに用意しておきました。北野先輩の頼みなら、子分の私が疎かにするわけないでしょう」白井隆史は分厚い資料の束を北野美月の手に渡した。

北野美月の視線が紙の上を素早く走り、心の中で未来の計画を思案していた。彼女の顔色は少し青白く、額には細かい汗が滲んでいた。

高熱で非常に弱っていたにもかかわらず、彼女の目には興奮の光が宿っていた。

「なかなかいいわね。この弁護士たち、さすがに並の人物じゃないわ。彼らは80億円や最上階の大型マンションよりずっと価値があるわ!」北野美月の顔に徐々に満...

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