第4章

母と涼介の父親についての真相究明に進展がないまま、三ヶ月が過ぎた。あの謎の電話の後、私は一時的に仕事に集中することに決めたのだ。

今日の商談は、この三ヶ月間の私の成長を試す、まさに正念場となる。

湾岸商業センターの最上階にある会議室。大きなガラス窓からは、新月市の湾岸の壮大な景色が一望できた。私は手元の資料を整え、深呼吸して気持ちを落ち着ける。今日は浅川投資と鷹見グループの重要な提携交渉の日であり、私は裕也の重要なパートナーとして参加するのだ。

この三ヶ月で、私は完全に生まれ変わった。鏡に映る女性は、仕立ての良い紺色のスーツを身にまとっている。顔立ちは以前よりシャープになり、そ...

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