第7章

一睡もできなかった。

母の日記がナイトスタンドに置かれている。その恐ろしい言葉が、頭の中で何度も響いていた。鷹見昭彦に無理やり……。妊娠した……。一つ一つの文章が、私の心を深く傷つけていく。

だが、何より私を苦しめたのは涼介の言葉――「親父の種」だ。

もし日記が本当なら、もし鷹見昭彦が本当に私の実の父親なら、涼介と私は……。

その先を考えることはできなかった。

朝方、母がキッチンで朝食の準備をする物音が聞こえた。普段ならもう職場にいる時間だが、今日は病欠の連絡を入れた。母と向き合わなければならない。どんなに残酷でも、彼女自身の口から真実を聞き出すために。

私は日記を...

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