第20章 水原社長も予約が必要

朝早く、水原悟は秘書を連れてKSワールドホテルへ向かった。

唐沢家の一人娘である唐沢楓に会って、金田家の件についてじっくり話し合いたいと考えていた。

ホテルに入ると、去年の今頃もここに来たことを思い出した。

その時は眉をひそめていたが、今回は感心せざるを得なかった。

「唐沢楓の経営能力はなかなかのものだな」

ホテル全体が様変わりし、品格も上がっていた。

フロントで、網島新が前に出て言った。

「水原グループの水原社長が唐沢楓社長にお会いしたいのですが」

フロント係は丁寧に答えた。

「申し訳ございませんが、予約なしではお会いできかねます」

網島新は怒りを抑えながら言った。

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