第25章 ホテルで働く白石さゆり

堀内陽介はデートの相手とゆっくりとホテルのレストランに入った。

席に着くや否や、彼女は急いでスマートフォンを取り出し、テーブルに並んだ料理の写真を撮り始めた。フラッシュがパシャパシャと鳴り止まない。

堀内陽介は眉をひそめ、イライラした様子で言った。

「もう、写真撮るのやめてくれない?食事も落ち着いてできないじゃないか」

食事が始まると、彼女は一口食べただけで顔をしかめた。

「これ何?まずすぎ」

堀内陽介は気にする様子もなく、食べながら言った。

「俺は美味しいと思うけどな」

レストランのマネージャーが近づいてきて、丁寧に一礼しながら堀内陽介に尋ねた。「お客様、お料理はいかがでし...

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