第38章

水原のじいさまはずっと彼女に不満を持っていた。金田香奈は、今回のオークションで水原のじいさまに厚いプレゼントを贈れば、きっと老人を喜ばせることができると考えていた。

そうすれば、老人との関係を改善する機会になり、今後水原家での自分の立場も安定するだろう。

「お母さん、今回のオークションには金田家の代表として私が出席します」

珍しく強気に自分の要求を出した彼女だったが、金田社長の心は息子に偏りすぎていた。

金田香奈の要求を聞いた途端、顔色を変え、怒りに満ちた表情で彼女を指さして厳しく問い詰めた。

「お前はどうしてこんなに欲深いんだ。お兄さんが事故に遭ったばかりなのに、もう金田家を乗っ...

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