第39章

水原悟はまだ何か言おうとしたが、唐沢楓が唐沢佑の腕に甘えるように抱きついた。

「私は彼氏のそばにいるけど、水原さんのそばには幼馴染がいるはずでしょう?」

「ただ、不思議ね……金田家の人たちはどうしてまだ来ないのかしら?」

唐沢楓は愛らしく瞬きして言った。

「あなたは私を愛していないから守ってくれない。じゃあ、あなたの最愛の人は?守れるの?」

水原悟は何か違和感を覚え、問い詰めようとした矢先、入口で騒がしい音が聞こえてきた。

豪華な車が入口に停まり、運転手が恭しくドアを開けると、金田社長と娘の金田香奈が降りてきた。金田香奈は黒いオフショルダーのドレスを着こなし、胸元には細かなダイヤ...

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