第16章

当事者本人が承諾した以上、彼らのような部外者には口を挟む資格などないのだ。

天宮東輔は白目を剥いて、すぐに立ち去った。天宮大奥様は天宮和人の疲れ切った様子を見て、周りに集まっていた人々に言った。「和人は目覚めたばかりで休息が必要です。皆さん、お引き取りください!」

天宮大奥様の言葉を聞いて、天宮家の人々も皆退出した。

天宮東輔はバルコニーに立ち、天宮和人の閉ざされた部屋のドアを睨みながら罵声を上げた。彼は携帯電話を取り出して電話をかけ、相手はしばらくして出た。

「何の用だ?」

天宮東輔はすぐに声を潜めた。「こういうことなんだ、計画に少し問題が……」彼は不安そうに言った。「天宮和人が...

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