第18章

天宮和人は拳を握りしめ、顔色が青ざめ、怒りに震えていた。

畜生どもめ、子供にあんな酷いことをするとは!

ドアが開き、星谷由弥子が大股で入ってきて、天宮和人を一瞥した。「決心はついたでしょうか?」

天宮和人は星谷由弥子を見つめ、表情が少し柔らかくなった。

子供の病気はこの女が自分を騙すための嘘だと思っていたが、まさか本当だったとは。

そう考えると、彼女に感謝すべきだろう。彼女が問題に気づいてくれたおかげで、拓海の症状はまだ取り返しのつかない段階には至っていなかった。

彼は折れた。「わかった、協力しよう」

「ただし、拓海の治療は内密にしてほしい。天宮家の人間には知らせないでくれ」

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