第30章

「私たちにその絵を譲ってくれるだけで、今日お姉さんが人違いをしたことを両親に言わないわ。それに両親の前でいいところも話して、家に帰っても両親に叱られないように保証するわ」

星谷清美の豹変ぶりを見て、星谷由弥子は思わずため息をついた。「星谷清美、誰もあなたに言わなかったの?あなた、芸能界の方が向いてるわよ。そのか弱くて憐れな姿、芸能界に放り込んだら、絶対に有名になれるわ」

この妹は彼女にとって、眼中にもない存在だった。

「この世に無料で手に入る特典なんてないわ。私たちの関係を利用して、タダで三枚の絵を手に入れようなんて、夢見ないで!」

星谷由弥子はきっぱりと断った。考えるまでもない。

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