第31章

内部の応接室に着くと、星谷由弥子は担当者に他の絵をすべて持ってくるよう指示した。

担当者は迷うことなく立ち去った。展示されていない作品はすべてコレクションレベルのものだ。どれか一枚でも売れれば、先ほど売れた数枚の絵よりも遥かに高い手数料が入るのだから。

しばらくすると、応接室のドアが再び開き、制服を着た従業員たちが次々と入ってきた。

続いて、応接室の長テーブルには大小さまざまな絵画が展示された。

様々なサイズの作品を目にして、皆は少し驚いた様子だった。

最後の一枚が置かれると、二ノ宮家のお嬢様は思わず声を上げた。「喜子、こっちの絵を見て!これってアレクサンダー・ルーチ絵画賞の受賞作...

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