第34章

木下浩介は返事を得て、すぐに大勢の人員を捜索隊に投入した。

帝都は広くないものの、一人の人間を見つけるのは、まさに砂漠で一粒の砂を探すようなものだった。

特に、隠れるのが上手なJとなると尚更だ。

まるで彼らの行動をあらかじめ予測していたかのように、より精密な捜索を行おうとすると、自動的に偽装信号が立ちはだかった。

幾重にも重なる偽装を突破してネットカフェに到着した時には、すでに時間は遅くなっていた。

木下浩介はフロントがモニター映像で人の出入りを確認するのを待つ余裕もなく、位置情報が示す角の席へと直行した。

完全に近づく前に、角の席の人影が動くのが見えた。

木下浩介はほとんど反...

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