第40章

「社長、この作品をついに手に入れましたね!」

木下浩介が書類を持って入ってきた時、ちょうど鑑定中の絵画を目にした。

「今年天宮お爺様の誕生日祝いは、この作品を贈るんですか?」

天宮お爺さんは年を重ねてから、書画や骨董品をコレクションとして集めるのを楽しみにしていた。

Kが三年前に名を馳せた時から、天宮和人はKの受賞作品を一点競り落としてお爺さんに贈りたいと考えていた。

しかしKの受賞作品は、個人所蔵で売りに出されないか、価格が高騰して作品の価値に見合わないものになっていたため、天宮和人はその考えを一時保留せざるを得なかった。

「去年、この作品の底値はいくらだった?」天宮和人は唇を...

ログインして続きを読む