第42章

「最近、Kの作品がたくさん市場に出回っているのは何故かと思ったら、天宮若奥様のお計らいだったんですね!」

「天宮若奥様は本当に凄いです。Kの絵は一枚でも入手困難なのに、あんなにたくさんの作品を簡単に扱えるなんて!」

「そうですよね。以前オークションで一枚を落札しようとしたんだけど、価格を言い終わる前に、あっという間に倍になって。パドルを上げる暇もなく売約済みになってしまいました」

周囲の態度が一変し、口々に称賛の言葉が飛び交い始めた。

一瞬で露わになった人々の悪意は、天宮和人の擁護によって次第に消えていった。星谷由弥子は心を落ち着かせ、天宮和人の後ろから歩み出て、スポットライトの下に...

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