第48章

指令が出るや否や、木下浩介はまた一晩中眠れなかった。

一夜が明け、天宮和人が会社に着くとすぐに、木下浩介が整理した調査資料を手にした。

調査結果は案の定、ほとんどが空白で埋め尽くされていた。

天宮和人は手元の資料を無造作にデスクに広げ、軽く机を叩いた。

調査資料全体の中で、天宮和人の眉をひそめさせたのは二つの点だけだった。

一つは星谷由弥子が通っている大学に、骨董品鑑定に関連する専攻がないという点。つまり、星谷由弥子の説明は筋が通らないということだ。

星谷由弥子の頭の良さなら、彼が彼女の言葉一つ一つを疑うだろうことは予測できたはずだ。そして言葉の真偽を確かめる最も良い方法は調査す...

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