第58章

「留まる必要があると思うか?」天宮和人は冷たく口を開いた。

木下浩介は即座に首を振った。

治療プランだけを取り上げても、海外の心理医は残す必要がなかった。

星谷由弥子が軽く提案した治療プランだけでも、最良の方法だったのだ。

ましてや、星谷由弥子が神医であることを知りながら、他の信頼性の低い人物を探すなど、金の使い道に困っているか、頭がおかしいかのどちらかだろう。

「では今から医師を呼び戻して、今後の契約解除について話し合います」

彼らが医師を探していた時点では、契約をきっぱりと締結していなかった。天宮和人は実際に会ってから、さらに契約を進める予定だったのだ。

そのため心理医が再...

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