第65章

彼女は自分のニットのパジャマが薄く透けていることも、何気ない仕草で漏れ出る色気にも、まったく気にしていなかった。

依然として愛らしく、まるで僧侶のような天宮和人を茶化していた。天宮和人の反応を想像するだけで、思わず笑みがこぼれる。

想像していた叱責は聞こえてこず、代わりに天宮和人の落ち着いた足音が近づいてきた。

振り返る間もなく、天宮和人はすでに星谷由弥子の傍らに立ち、上から見下ろすように、わざと恥じらうような仕草をしている彼女を見つめていた。

彼女の黒髪が絹のように流れ、目に宿っていた戯れの色が消えないうちに、驚きに取って代わられた。

天宮和人は手を上げ、骨ばった指先で彼女の美し...

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