第66章

異様な感覚が全身を駆け巡り、次の瞬間、天宮和人の体が凍りついた。

星谷由弥子の落ち着きのない手が下へ下へと伸び、触れてはならない場所に直接触れたのだ。

天宮和人が押しのけようとする前に、星谷由弥子は足まで絡めてきて、まるでコアラのように天宮和人にしがみついていた。

天宮和人は血の気が頭に上るのを感じ、次の瞬間には慌てふためいて逃げ出していた。

昨晩の行動は制御可能な範囲内だったが、今この時、人間の本能は思うように抑えられるものではない。

突然押しのけられた星谷由弥子は、何が起きたのか分からないまま起き上がり、次の瞬間また横になった。自分が今何をしたのか、まったく理解していなかった。...

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