第10章

高橋花子は松本七海の不承不承な様子を見て、警告めいた口調で言った。「あの娘が持ってるカメラは只者じゃないわよ。中身が一度表に出たら、あんたは終わりよ。

それに今日はこれだけの人が来てるんだから、私のような年寄りが恥をかくのは別として、松本家にはまだ名声が必要なの。こんな小銭、あの子にくれてやったところで何が悪いの?」

松本七海はその言葉に動かされ、松本絵里を睨みつけながらも、立ち去った。

高橋花子はようやく坂田光に目を向けた。「坂田さん、あなたの婚約はもう解消されたんだから、七海と一緒に取りに行ってくれない?少し重いから、女の子一人じゃ持てないかと心配で」

これは二人きりで話したいと...

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