第13章

今や彼女は巨額の利益を得ることができるようになった。ただ、師匠たちには約束していた。生死存亡の危機に直面しない限り、金融市場以外でこれらの口座の資金を使うことはないと。

今回の祝宴で彼女は一つの情報を得た。

松本家と高橋家が共同で進めていたプロジェクトが、ついに上場したのだ。

これはまさに彼女の専門分野に当たる。心に溜め込んだ怒りを、この機会に発散しない手はない。

彼女は思った。まさか1億円程度で自分を黙らせられると思っているのだろうか?

今回こそ、彼らの資産を直接三分の一も蒸発させてやる!

彼らは本当に松本絵里がまだ五年前の、誰にでも虐げられる無知な少女だと思っているのか?

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