第15章

松本七海は元々機嫌が悪かったため、すぐに怒りを露わにして詰問した。「何よ、その態度!この前科者の女のために私を叱りつけるつもり?」

坂田光の表情が曇った。「何だよ、前科者の女って。絵里はお前のお姉さんだろ!」

松本七海は坂田光が明らかに松本絵里を贔屓していることを見て取り、怒りに任せて叫んだ。「あなた何様なの?忘れないでよ、あなたたちはもう婚約者同士じゃないんだから!」

坂田光は黙り込んだ。松本絵里が一方的に婚約破棄を告げたとはいえ、彼にはまだ彼女とちゃんと話し合う機会がなかったのだ。

松本七海は坂田光が黙認しているように見えることに、冷笑を浮かべて皮肉った。「あなたが彼女を婚約者だ...

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