第17章

おじいさんは座り込み、ゆっくりと語り始めた。「我々と松本家はもともと交わりがなかった。だがあの年、お前が手術台で生死の境にあった時、J市では見つからなかったレアな血液型を松本家の誰かが持っていてな。三日間で八回の輸血を続け、お前の命を救ってくれたんだ。それから少しずつ交流が始まった。光も松本家との婚約があるしな。先日、彼の母親が言っていたよ。光ももう年だし、そろそろ結婚すべきだと。彼が松本家のお嬢さんと結婚すれば、我々と松本家も親戚になるわけだ」

松本家のお嬢さん?

彼は松本七海のことを思い浮かべ、突然不思議に感じた。この人の名前が松本絵里とあまりにも似ていることに。(原作の松本七海の本...

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