第24章

高橋花子は続けて言った。「私はもう年だ。松本家にはもっと先まで進んでほしい。あなたは松本家にいていいけど、七海を陰で支えるだけよ。あなたは賢い子だから、おばあちゃんの言ってることがわかるでしょう」

松本絵里は高橋花子がこんな考えを持っているとは思ってもみなかった。

でも今の彼女は、五年前の何も分からない子供ではない。

表向きと裏向きという言葉は聞こえがいいだけで、実際は松本七海が表立ってできない汚い仕事を彼女にさせようとしているのだ。

五年前の松本絵里なら、世間のことなど分からなかったかもしれない。

しかし、この五年間の牢獄生活で、彼女は多くのことを学んだ。

高橋花子は松本七海に...

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