第36章

坂田和也の視線には挑戦的な色が見え隠れし、彼は軽く坂田光に言った。「俺の結婚のことは心配しなくていい。自分のことを心配した方がいいんじゃないか。グループ八十周年を機に、一緒に結婚式を挙げてみるとか」

坂田光は松本七海との政略結婚に不満を感じており、坂田和也の言葉は明らかに火に油を注ぐものだった。

彼は返すしかなかった。「叔父さん、私の結婚のことはおじいさんと母が心配してくれています」

坂田和也はその話題を続けず、田中翔太に目配せした。田中翔太はすぐに彼の車椅子を押して部屋を出た。

坂田和也は出口で一言残した。「今日から、俺は隣の会長室で自分のプロジェクトを処理することにする」

坂田...

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