第48章 秘密の空間を開く

田中翔太が連絡を受けた時は本当に困惑していた。午後に稲田弁護士から離婚協議書の草案について聞いたばかりで、和也様が離婚するつもりだと。

しかし、こんな急に、どうして……

奥様以外の者は階上に上がってはいけないとは、まさに奥様に機会を与えているではないか?

もし誰も三階に行かなければ、奥様の手腕なら、隠し部屋を開けるのは一瞬の作業ではないか?

田中翔太は冷や汗を流し、頭の中で夜に和也様と奥様の間で一体何が起きたのかを想像するしかなかった。

松本絵里は眠っていたため当然知る由もなく、彼女の隠し部屋への道のりはまた一歩近づいていた。

松本絵里が目を覚ますと、突然...

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