第12章 恥をかくことを気にしない

水原暖は専務就任式を心待ちにしていた。

しかし、水原茜の出現により、就任式は失敗に終わっただけでなく、大勢の前で恥をかかされることになった。

水原暖は水原茜を心底憎んでいた。会議室から慌てて逃げ出し、オフィスに戻ると、水原昇栄に泣きつきながら訴えた。

「お父さん!お姉さんのやったことは強盗そのものよ!私たちは星河のためにこれだけの時間と労力を費やしてきたのに。外で知らん顔してた人が戻ってきて、星河を奪っていくなんて...こんなの納得できないわ!」

水原昇栄も怒りを抑えきれずにいた。

彼は歯ぎしりしながら憤然と言った。「あのバカ、自分を何様だと思っているんだ!私と戦うにはまだ百年早い...

ログインして続きを読む