第17章 水原家の人を怒らせる

こんなに大勢いる前で、水原茜は水原暖に即座に反論しなかった。

皆が骨肉の親族なのに対して、自分は明らかに部外者で、場違いな存在だった。

水原明佳は水原昇栄に依存して生きており、この時も皮肉な物言いを忘れなかった。

「茜、今日はお祖母様のお誕誕生日なのに、もしかして金欠?ちゃんとしたプレゼントも用意できないの?」

水原茜は冷ややかに唇を歪めた。

やはり同じ穴のムジナ、水原明佳と山田華は仲が良く、当時水原昇栄を誘惑したのも彼女の功績だった。

親の背中を見て子は育つ。水原暖と太田文一が一緒になったのも太田久美子の功績を思い出すと、まさに因果応報だ。

「彼女に何が買えるというの?安物の...

ログインして続きを読む