第19章 報いは遅れてやってくる

「水原茜、いい加減にしないと痛い目に遭うぞ」

水原昇栄は、沸々と込み上げてくる怒りを抑えつけることができずに、そう吐き捨てた。

しかし、水原茜は彼をまるで認識していないかのように、冷たく背を向けて歩き去ろうとする。

「誰があんたを行かせると言った! このアマ!」

まるで咆哮する獅子のごとく、昇栄が追い縋ろうとした瞬間、鈴木志遠が静かに立ち上がった。

「水原叔父様、どうかお心を静めてください。ここは私が水原妹さんと、じっくりお話しさせていただきます」

そう言うと、彼は躊躇なく、茜の背中へと歩み寄っていく。

茜は足を止めたものの、すぐに立ち去るつもりはないようだった。それは昇栄の体...

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