第24章 実はベテランドライバー

藤原空は、それが当然だと言わんばかりの表情だ。水原茜は返す言葉もなく、そっと額に手を当てた。

やがて、高級ホテルのディナーが届けられ、二人は食卓を囲んだ。空は、自分から進んで食器の片付けを手伝う。その健気で素直な様子に、茜の胸は温かくなった。

食事が終わると、二人はソファでバラエティ番組を見ていた。その光景は、実に穏やかで、温かいものだった。

突然、画面に美しい女優がクローズアップされ、空の顔がぱっと輝いた。

「これは高橋楓だよ。どう? きれいだと思う?」

「うん、きれい」

「意外と、いい趣味してるじゃない」

「パパも、きれいだって言ってた」

「……そうなの?」

「うん」空...

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