第33章 あなたは本当に気持ち悪い

彼はまさに恥ずかしさのあまり穴があったら入りたい気分だった。少し息抜きをしようと外に出たところ、思いがけず高橋楓と藤原圭に出くわしてしまった。

なるほど、高橋楓が妹の役を簡単に奪えたわけだ。

スマホに映る男女が絡み合う写真を見ながら、太田文一の顔に残忍な笑みが浮かんだ。

ホールで、藤原圭が水原茜に近づいた。

水原茜はシャンパングラスを手に持ち、一気に飲み干そうとしたところで、藤原圭がタイミングよくそのグラスを奪い取り、残りの大半の泡立つ酒を一息で飲み干した。

「お待たせして申し訳ない」

相手が誰か分かった水原茜は、少し驚いた様子だった。

「お忙しいのに、もう用事は済んだんですか...

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