第44章 私はただ手伝いたいだけ

水原茜は明らかに藤原圭の口調に少し茶化すような調子が混じっているのを聞き取った。

「じゃあ、介護士さんを呼んできますね」

「いいえ、少し支えてもらえれば大丈夫です」

どうやら藤原圭は細かいことにこだわらないようだ。

しかし水原茜はやはり気まずさを感じていた。歯を食いしばり、慎重に藤原圭を支えてベッドから降りる手伝いをしながら、心配そうに尋ねた。

「こんな風に動いても本当に大丈夫なんですか?お医者さんは安静にするようにとおっしゃっていましたが」

「大丈夫です」

水原茜もこれ以上考えるのをやめた。

彼女は藤原圭を支えて立ち上がらせた。

藤原圭は低く唸った。

「痛い?」水原茜は...

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