第45章 私は慣れている

藤原圭は素直に目を閉じた。

顔に温かいタオルがゆっくりと拭いていくのを感じる。そのタオルは徐々に首筋や鎖骨へと移動していった。

「体も拭いた方がいいですか」

「ああ」

水原茜はタオルを盥の脇に置くと、覚悟を決めて藤原圭の服に手をかけた。彼は緩い患者服を着ていて、中は何も着ておらず、胸が露わになっていた。

目の前の光景に、水原茜は血の気が上るのを感じた。自分は男性の裸を見るのは初めてではないと自分に言い聞かせる。

太田家にいた頃、モデルの撮影現場を監督することもあり、上半身裸の写真は珍しくなかった。

しかし今、なぜか呼吸が速くなり、心が落ち着かない。特異な体型のモデルたちを見慣れ...

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