第48章 二つの選択を与える

水原茜は少し驚いた。

この件について二人とも口を開いたことがあるのに、まるで一度も話し合ったことがないかのように、お互い気にしていないふりをしていた。それなのに、こんなに時間が経った今、藤原圭が突然持ち出してきた。

「理由がないなんて言わないでくれ」

水原茜が口を開く前に、藤原圭はすでに彼女の小さな思惑を見透かしていたようだった。

「君のそのわずかな感情の揺れ、僕には感じ取れるんだ」

これは明らかに水原茜に嘘をつくなと警告しているのだった。

水原茜は言いづらさを感じ、彼との会話を巧みにかわすしかなかった。

「私はずっとあなたを追いかけていました」

「知らなかった...私はもう...

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