第51章 本当にすべてが偶然

水原茜はようやく我に返り、恥ずかしそうに顔を背けた。まさか彼女が男性の神秘的な部分を凝視していたとは。

藤原圭に背を向けていた。

藤原圭の気分は一瞬にして晴れやかになった。

彼は素足のまま、まだ湿り気を帯びた体で浴室から出ようとした。しかし一歩踏み出した途端、足が滑った。水原茜は背後から迫る影を感じ、咄嗟に振り返って藤原圭を支えようとした。

その時彼女の頭の中にあったのはただ一つ、藤原圭はまだ怪我を抱えているのだから、絶対に転ばせてはいけないということだった。だが彼女は藤原圭の大柄な体格を考慮に入れておらず、バランスを崩してしまった。次の瞬間、ドシンという音とともに二人は床に倒れ込ん...

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