第57章 手伝いはいらない

太田文一は眉をひそめ、じっくりと考え込んだ。

「つまり、あなたの言ってることは……」

「あの写真は偽物じゃないわ。姉の評判を地に落とすには十分よ。だって以前から彼女はそういう恥知らずなことをしてきたんだから、誰もが簡単に信じてしまうわ」

太田文一は少し躊躇した。

こんな写真を公開するのは、道徳的に立場が悪くなる。

そんなことをすれば、あまりにも非人道的だ。

「よく考えてみてください。実は私もこんなことはしたくないんです。でも私たちは同じ目標を持っているから、あなたが苦労して築き上げた事業に悪影響が出るのは見たくないの」

水原暖は優しく言って、電話を切ろうとした。

「水原茜が先...

ログインして続きを読む