第9章 藤原グループの長男

「……」おい!ホテルにでも泊まるつもりですか?!

藤井猷は完全に言葉を失った。

藤原圭は電話を切り、空っぽの病室に入った。

空は積み木で遊んでいた。

小さな体で、ベッドに座り、真剣な眼差しで積み木に向かっている。

藤原圭は傍らに立ち、息子を見つめていたが、まるでその小さな体を通して、別の人を見ているかのようだった。

黒白のはっきりした瞳、強情な眼差し、白磁のように繊細な肌。

そして、少し巻いた髪。

藤原圭はソファに腰掛け、じっと息子を見つめていた。

空は積み木を完成させ、顔を上げて藤原圭を見た。宝物を見せるように「パパ、僕が作ったバイク、かっこいい?」

藤原圭は微笑みなが...

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