第10章 世紀のプロポーズが笑い話に

 イメージ回復と株価の維持、そして最後の一発逆転を狙って、北川彰人は全東京を巻き込む「世紀のプロポーズ」を画策した。

 彼は渋谷スクランブル交差点の大型ビジョンで私への愛の告白を流し続け、広場を貸し切って真紅の薔薇で埋め尽くした。

 メディアが殺到し、この茶番劇を生中継している。

 私は彼の嘘によって現場に呼び出されていた。

 スポットライトが私を照らす中、北川彰人はかつて私が拒絶したピンクダイヤモンドの指輪を捧げ持ち、片膝をついた。

「桜井、俺が悪かった。この七年、俺は愚かだった。お前の気持ちを無視していた。だがこの指輪は、最初からお前のために用意していたんだ。結婚してくれ。残り...

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