第11章 裏切りと孤立

 あの茶番劇のようなプロポーズ騒動の後、北川グループの株価は連日ストップ安を記録した。

 取締役会は全会一致で北川彰人の解任を決議した。

 まさに、落ちれば皆が踏みつけるといった有様だ。

 北川彰人の失脚を目の当たりにした水原真央は、彼に残された僅かな手元資金をすべて持ち逃げし、国外逃亡を図った。

 だが、彼女は成田空港で警察に身柄を拘束された――通報したのは、私だ。

 彼女が北川彰人の公金横領やマネーロンダリングに関与していた証拠は、とっくに揃えてあったのだ。

 聞くところによると、取調室での水原真央は、自身の減刑と引き換えに全ての罪を北川彰人になすりつけ、彼が隠していた脱税の...

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