第108章 彼から離れて

陸川北斗が淡く笑うと、天樹夢子は瓜の種の皮をぺっと吐き出しながら言った。「あたしのこと見て何よ? 今度一緒に食べに連れてってあげればいいんでしょ」

陸川北斗はフッと笑った。

笑い終えると、彼はゆっくりとソファから立ち上がった。「行くぞ。母さんに直接、どうやって嫁を可愛がればいいか指南してもらおうじゃないか」

こっちは大事な用を放り出して帰ってきたっていうのに、一晩中説教された挙句、天樹夢子ときたらまるで他人事のように高みの見物を決め込んでいる。

天樹夢子「お腹空いてない」

天樹夢子が言い終わるや否や、陸川北斗は彼女を横抱きにすると、ダイニングへと向かい、テーブルの前に座ら...

ログインして続きを読む