第114章 お前は腕を上げたな、俺よりも洒落てる

陸川景陽の珍しい怒りように、天樹夢子と笹川諭はまず呆気にとられた。

その直後、笹川諭は皿にあったナッツを掴むと、陸川景陽の身体に投げつけた。「陸川景陽、何よ? せっかくいい気分なのに、わざわざ不愉快にさせるつもり?」

笹川諭が投げつけてきたナッツに、陸川景陽はいつものようにふざけて騒ぐことはせず、ただ淡々と自分の服をはたき、二人を見つめて言った。「夢子、あんたと俺の兄貴が籍を入れてもう二年余りだ。兄貴がどんな奴で、あんたにどう接してきたか、あんたは俺たち誰よりも分かってるはずだ」

「あんな男、あんたが一緒に添い遂げる価値があるのか? 子供を産む価値があるのか?」

「それに、占いの結果...

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