第155章 久しぶりにこの事をやった

そもそも守谷誠に霧雨真音と会う機会が与えられなかったとしても、仮に会えたところで、霧雨真音は離婚を堅持するだろう。

以前は彼に脅され、両親と妹が傷つけられるのを恐れていたが、今や彼は刑務所で二十五年も過ごすのだ。もはや霧雨真音にとって、彼は何の脅威でもなくなった。

守谷誠のこの一件で、天樹夢子の認識もまた覆された。一体どの面下げて離婚しないなどと言えるのか、どの面下げて霧雨真音に会いたいなどと言えるのか、全く理解できなかった。

刑務所の外に出て車に乗ると、霧雨真矢が緊張した面持ちで尋ねた。「夢子、守谷誠はサインした?」

守谷誠という男は度量が狭い。ここまで追い詰められても姉を道連れに...

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