第200章 本当に離れたいなら、私に一つのことを約束して

部屋着姿の天樹夢子が目の前に現れたのを見て、柊木嶋は一瞬呆然としたが、すぐに彼女の方へと歩み寄った。「夢子」そして続けた。「夢子、あなたも病気なの?」

天樹夢子は「ええ」と頷き、ちらりと陸川北斗の病室に目をやった。「どうして入り口に立っていて、入らないの?」

柊木嶋は気まずくなり、何か言おうと口を開いたものの、とっさには良い言葉が見つからなかった。

そこで、背後の病室を見ながら尋ねた。「夢子、あなたの病室はどこなの?」

天樹夢子は自分の病室を振り返った。「あそこよ」

「誰も付き添ってないの? どうしてこんな夜更けに休まないで、出てきたの?」

「高熱が出たから、ナースステーションに...

ログインして続きを読む